SSブログ
"かなり使えた"【川村明宏のジニアス記憶術】
代理(4) ブログトップ

代理権授与行為の法的性格(単独行為説) [代理(4)]

 民法には代理権付与の要件についての規定がない。その為、如何なる要件のもとに代理権が付与されるかが問題となる。

 まず、代理関係は、委任などの対内関係の対外的効果に過ぎないとする立場では、授権行為は対内関係を生ずる行為の性質そのものということになり、従って、多くは契約ということになる。しかし、本人と代理人との間に委任などの対内関係があるからといって、常に代理を伴うわけではなく、しかも、代理は義務を伴うこともない。単に本人に権利義務を発生させる地位に過ぎない以上、代理関係を委任などの対内関係の対外的効果として位置づけることは妥当ではなく、代理関係は委任などの内部関係から独立したものであると解すべきである。

 このように代理関係を対内関係とは別個独立のものであるとすれば、授権行為の性質は対内関係を生ずる行為とは切り離して考える必要がある。この点、私的自治の原則を重視し、代理権授与行為も契約(無名契約)であり、代理人になろうとする者の承諾を必要とする見解がある。しかし、これでは、代理人側からの授権契約の取消しも可能となり、取引の安全を害する。

 思うに、代理は義務を伴うこともなく、単に本人に権利義務を発生させる地位に過ぎないのであるから、ことさら代理人になろうとする者の同意を要件とする必要はなく、その結果、単独行為であると解するのが妥当である。

以上





共通テーマ:資格・学び
代理(4) ブログトップ
Copyright © ★論文試験【お薦め動画・論証パターン】 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。