SSブログ
"かなり使えた"【川村明宏のジニアス記憶術】

失踪宣告の取消の効果(1)財産的法律行為の場合 [失踪宣告の取消の効果(1)]

[論証例]

32条1項但書の「善意」とは、当事者双方が善意であることを意味すると解する。
何故なら、当事者の一方のみが善意であれば足りるとすると、悪意者が容易に善意のわら人形を介在させる余地を認めることになり、失踪者の保護に欠けるからである。

 この解釈は同項但書の文理にも反しない。同項但書は「行為」と規定しており、それは、契約の場合には契約それ自体を指し、契約に関与する当事者双方が善意であることを意味していると解する余地があるからである。

 そして、このように同項但書の善意を取引当事者双方について要求する以上、一旦そのような者が登場した以上は、その後の悪意者も失踪宣告の取消の影響を受けないと解するのが妥当である。この点、善意者登場後の悪意者に対しては失踪者は依然として追求できるとする説(相対的構成説)がある。

 しかし、第一に、当事者双方に善意を要求する以上、そこまで失踪者を保護する必要は認められないし、第二に、一旦善意者が登場した後は無条件にその後の悪意者は保護されると解する方が、法律関係の早期安定化に資するし、また、悪意者から善意者に対する追奪担保請求[561条]の可否をめぐる事後の法律関係の紛糾を回避することにも役立つ。 以上

・上記論証例は利益衡量だけから導ける結論


共通テーマ:資格・学び
Copyright © ★論文試験【お薦め動画・論証パターン】 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。